【映画】ディア・ドクター

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監督:西川美和
脚本:西川美和
原作:西川美和
出演者:笑福亭鶴瓶(伊野治 役)
瑛太(相馬啓介 役)
余貴美子(大竹朱美 役)
笹野高史(曽根登喜男 役)
香川照之(斎門正芳 役)
八千草薫(鳥飼かづ子 役)

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あらすじ・感想(ネタバレ):

小さな村に、伊野は看護師 大竹と研修医 相馬を連れて村人の家に訪問して診療して回った。

突然、伊野が失踪し、その治療を巡り、患者の家族が警察に告訴した事で警察の捜査が始まった。聞き込みを進めても、誰も伊野の過去を知らない。

伊野は その村で唯一の医療行為を行っていた。回診中、鳥飼かづ子の体調が思わしくない(腹痛・貧血・食欲が無い 等)ので診察をしてみた。かづ子は診察を受けながらも「大丈夫です」と言うので、その時は それで終わったが、夜、伊野は一人でかづ子を訪ねた。

伊野は世間話をし、夕食を御馳走になり、一緒に野球を観て、かづ子の家族事情を聞いた。夫は既に病気で亡くなり、その時の看病が家族には相当負担だった。自分の娘が大きくなって家を出たのに、再び自分の病によって家族に負担を掛けたく無い。自分の娘が帰ってくる時期で、医者になった娘に病気がバレると困るので、娘には内緒にしてくれ・・と。伊野は それを承知して、かづ子に胃カメラを飲んで診察を受けて貰う約束を取りつけた。

かづ子が診療所を訪れた時、伊野達はこれから回診する予定になっていた。回診は大竹と相馬に頼み、伊野はかづ子の胃カメラ検査を一人で行った(伊野が仕組んだものだった)。
胃カメラ検査の結果、非常に悪かったが「胃潰瘍」という事で薬を処方した。

村に出入りしている置き薬屋の斎門は、胃潰瘍を患っていたので、伊野は斎門に胃カメラを検査をし、その写真を撮っておいた。

ある夜、村の男が肩を骨折、肺に穴が開いて気胸となる事件が起きた。病院に運ばないと治療が出来ない。伊野は気胸を知らず、その男の怪我の状況が分からなかったが、看護師の大竹は同じ様な状況を経験しており、伊野に指示をする(大竹は伊野の事情を把握していた)。伊野は大竹の指示通り、胸に針を刺して肺から漏れた空気を外に逃がしてやった。

その男は病院に運ばれ、無事一命を取り留めた。治療に当たった医師は「頭で分かっていても実際に治療が出来るものじゃない。優秀な医者だ」と伊野を褒めるのを相馬は聞き、来年も同じ時期に再び訪れて伊野と一緒に村医として働きたいと告げる。

しかし、伊野は「自分は医者の資格が無い」と本当の事を相馬に告げた。相馬は伊野の言うことをマトモに取り合わず、自分の父親は経営の事しか考えず医者の資格はないと非難する。

かづ子の娘が帰省した。かづ子の薬を見つけ、伊野に色々とかづ子の様子を問い詰めた。伊野は例の写真を取り出し、かづ子の状況を説明した事で、娘は納得して「1年後 また来るので、それまでお願いします。」と頭を下げた。

「1年後・・」伊野はかづ子の余命は そこまで持たないと分かっていたのだろう。娘と相馬を置いて、スクーターに乗ったまま それきり失踪してしまった。

警察が、娘の告訴によって調べたところ、伊野は医師の資格を持っていなかった。伊野の診断は胃潰瘍だったが、それより非常に悪く(末期の胃がん?)、一体伊野は どのようにかづ子の死期を迎えようとしていたのか?娘の疑問は解決しない。

医師の資格がなく、小さい村で医療行為を行う話は、医療マンガ、ドラマで取り扱われています。その像は、正義感が強かったり、その患者からの信頼・感謝が嬉しかったり・・。でも、この作品からは、伊野は そういうもののためではなく、相馬に告白したように、ズルズルと引き込まれてしまった と言いつつも、病人・怪我人のために尽くす姿があり、人の温かみを感じました。

管理人 について

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